データ解析

2001年9月15日
ほんまに不定期な日記になってしまいました。
最近、ゆっくりと日記を書く時間も無かったし。

で、新しい実験。う〜ん。どうだろう?
この分野に入って約1年半。
今までと全く違う分野。手法。解析。解釈。
まぁ、全く違うとは言い切れないけど。
やはり結果の捕らえ方が違うのかな?

生き物は日々常に動いている。
そして、同じ種の同じ年齢のものは、遺伝子の発現、体内動態、形態的特徴などはほとんど差が無いと考えられているけど、やはりそこは生き物。やっぱり個体差ってのは生じてくる。早い話が全く同じ生き物ってのは生じないんだ(と思う^^;;)

私の扱っている生き物は理論上全く同じ遺伝子を持つ(と言われている)けど、培養条件、実験条件によって大きな差が出てくる。例えるなら、一卵性双生児は全く同じ遺伝子をもつけど、育った環境によってその人の特徴が決められるってのと同じ事かな?一概にそうだとは言えないけど。
遺伝子と行動に関して面白い論文を見つけたので機会があれば触れてみます。

そんな中、実験群と対照群との比較を行うとなるとやはり絶対値よりも相対値での比較になってしまう。絶対値で比較を行った方がいいんだけど、両者の初期量が同じじゃなきゃいけないって制限があるから、どうしても相対比較が用いられてくる。簡単だし。けどこの相対値ってのが曲者。同じ2倍の差が見られたってあっても、1が2になったものと50が100になったものも同じ2倍。実際に2倍に発現された遺伝子を定量したら両者に差が出なかったってのはよくある話。
まぁ、どっちが良くてどっちが悪いって話じゃないんだけど。
ただ、ある実験を行ったら2倍もの差が出たって強調している論文があるから、そのときの絶対量ってのはどうなってるんだろうな?って思ったので^^;

でも、この論文はちょっとひどい。
専門的な話になるが、ある物質を投与する事で遺伝子の誘導状況(mRNAの増減)を定量した。普通mRNAの増減を調べたのなら、電気泳動の写真くらい載せるべきだろう。しかもmRNAの初期濃度も定量していない。ただPCRのサイクル数を決めて出てきたバンドの定量を行い、対照群と相対的な比較を行ったのみ。で、実際に論文に載っている結果はそのグラフのみ。よくこんな論文をアクセプトしたな(ーー;;

研究を行って論文を世に出すって事。
これはすごい責任のある事だと思う。
未知な部分を解明しました!って世界に公表する事だから。
一度でも論文として出してしまえば、他の人はその部分を研究する必要性は無いわけだ。だって解明されてるから。で、その結果をもとに次の研究を進めていく。
けど、もしその結果が誤りだったとしたら…。一度でも論文訂正を行ったら、その人の信用性が疑われる。
今やっている研究は本当に正しいのか?関連文献を読んでも、おそらく間違いは無いとは思うけど…。まだこの分野に足を入れて間もない私の出したデータが本当に信用性があるのか?時折、そんな事でうなされてしまう自分は肝っ玉が小さいんですかね?^^;;(笑)

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